題目：第三の人生を望みながら
聖書：ヨハネⅠ１：６－１０
カトリック神父の中で李ジェミン神父は、第3の人生という本を書きました。彼は人生を3段階に区分して言っています。第1の人生は、自分の力に頼って何かをやろうとする能動的人生の時期です。第2の人生は、自分の力で何でもできると思っていたが、そうではないという限界を体験する時期です。そして、第3の人生は、自分の力と能力の限界を実感して、神に戻ってくる受動的霊性の人生です。今日の言葉のモデルはモーセです。第3の人生を説明するために最も良いモデルモーセの120年の人生を3段階に分けて恵みを受けようとします。1. 第1の人生は、「能動的人生」として40年です。当時、エジプトは経済、軍事、文化など様々な方面で最高の力を持った古代近東地域の最強、超大国でした。モーセは、ヘブライ奴隷の子として生まれたが、紆余曲折の末、エジプトの王女の養子となり、宮中で最高の帝王教育を受けました。そして王子の地位にふさわしい力と権力も持ちました。しかし、世で自分の力と能力で得られたものは長続きしません。お金さえあればすべてができると考えている人が多いが、お金でできるのは、制限的です。考えてみれば、お金で出来ないことが意外に多いです。お金を持って、高価な補薬を購入することができますが、健康そのものは買えません。お金を持って、最高のベッドを購入するすることができますが、快適な睡眠は買えません。お金を持って、高価な服を買って着て、整形手術をして素敵な格好を作れますが、しっかりとした人格は買うことができません。お金を持ってよく食べて散水はあるだろうが幸せでは買えません。モーセがパロの王宮で、自分の力と権力で生きた能動的人生の40年は、富貴栄華を受けましたが、実際には、神と断絶された闇と罪、そして死の生活に過ぎませんでした。2. 第2の人生は「受動的人生」として40年です。第二段階は、徹底的に自分の無能を悟る時期です。モーセはもうエジプトの王子の身分から羊を飼う羊飼い身分に転落します。モーセは、自分が持っていたすべてのものを失ってしまいます。自己所有は何もありません。彼が持っているのは、羊を飼うための乾いた杖一つがすべてです。最初は、このようなすさまじい人生逆転の中で絶望と怒り、挫折感と喪失感で一日一日を生きたでしょう。しかし、時が流れて同時に、モーセは人生の実像を初めて悟ることになります。人が王宮で王子の身分で生きるか、あるいは荒野で、名もなく羊飼いで生きるか、人生そのものは何もないということを悟ります。いと高き神の前で徹底的に自分の無能を悟って生きるのが第2の人生です。能動的生活の中で受動的人生に転換するのが新しい人生への始まりです。3. 第3の人生は、「神のもの」として40年です。聖なる神の前で自分の無能を徹底的に悟らせてから、神は再びモーセをお呼びになります。その時、モーセの年齢は80歳です。モーセが人生を美しく仕上げることができたのは、「私はすべてのことができる」の能動的生活の中で「私は何もすることができない。」の受動的生活に変わったからです。自分は神の助けがなければ、何もすることができないと告白する人は、永遠の命であり、真理であられる神様を見つけるしかありません。私たちが神を信じるということ、神との正しい関係を回復するということは何を意味するのでしょう？モーセのように<私はすべてのことができる>ということから、<私は何もすることができない>と言うところに戻ることです。私はどんなに多くのものを持っているとしても、聖なる神の前では、私は神の助けがなければ、何もできない愚かな存在であることを深く認識して悟る人生を生きる者が本当に幸いな者になります。第3の人生に進むためには、第2の人生は必須です。モーセは、第3の人生、もはや神のものとして生きるようになりました。モーセはこう歌います。「主は、私の力であり、ほめ歌である。主は、私の救いとなられた。この方こそ、わが神。私はこの方をほめたたえる。私の父の神。この方を私はあがめる」(出15：2)モーセの告白がまさに私たちの信仰告白になることを願います。
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